人文科学研究科の概要

修士課程、博士課程合わせて4つの専攻からなる大学院のご紹介です。

清泉女子大学大学院について

本学大学院は、建学の精神であるキリスト教ヒューマニズムに基づいた「まことの知・まことの愛」という教育理念をかかげ、総合的で精深な学識を教授するとともに、教員学生が研究や討論の場を通して学術研究の成果を挙げ、真に国際社会で活躍し得る人材を育成し、文化の進展に寄与することを目的としています。
その目的のため本学大学院では、キリスト教の精神を尊重し、広い視野に立って世界を考える深い専門知識と研究能力を備えた、学問への真摯な情熱を有する学生を求めています。
また、本学大学院は1993 年の設置から2023 年で30 周年になります。上記の教育理念のもと、高度な教養と思考力、表現力を身につけ、社会の発展に寄与する人材を育む教育に、より一層取り組んでまいります。
ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)、カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)、アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)の詳細についてはこちらをご覧ください。
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大学院在学生、修了生の声

* インタビュー内容・学年は取材当時のものです。

言語文化専攻

在学生・修了生からのメッセージ
幅広い知識を身につけながら研究ができ、少人数の授業で先生方から直にご教授いただける点が最大の魅力

修士課程 言語文化専攻 日本語圏
2年(2023年度)
M.K.さん

日本語学の分野のなかでも特に日本語の語彙・表記事象に興味があり、学部での学びをより発展させた研究を行いたいと考え、大学院への進学を決意しました。主に明治期の文献を観察対象として、当該時期の漢語・漢字理解、漢語と和語との結びつきを明らかにすることを研究目標としています。本専攻では、言語に関する幅広い知識を身につけながら研究に勤しむことができ、少人数の授業で先生方から直にご教授いただける点が最大の魅力です。主体的な授業を通して、様々な事象を多角的視点で捉え、適切な表現を用いて論を展開する力が養われているように感じます。今後は修士課程での学びを活かして博士課程への進学を目指し、自身の研究をさらに深めていきたいと考えています。

在学生・修了生からのメッセージ
社会経験を経て改めてスペイン語を学び、表現豊かで奥深い言語だと再発見できました

言語文化専攻 スペイン語圏
2023年3月修了
M.W.さん

字幕翻訳の仕事を始めたときから、字幕翻訳を学術的にとらえてみたいという気持ちがあり、進学しました。大学院ではスペイン語映画の台詞の語用論的機能が、どのように字幕に表出されるのかということを研究しています。語用論は、状況で意味が変わる言葉を研究する言語学の分野です。スペイン語圏に所属していますが、論文指導は語用論が専門の英文科の先生にお願いしています。このような変則的なことができるのも、少人数制の大学院ならではの利点だと思います。英語の語用論の枠組みにスペイン語を当てはめていくため手探りの状態ですが、気づきを得たときの喜びは ひとしお大きく感じます。そして社会経験を経て改めてスペイン語を学び、表現豊かで奥深い言語だと再発見することができ、うれしく思いました。いつでも、どこでも「“学び”は身を助く」です。

思想文化専攻

在学生・修了生からのメッセージ
分野の異なる先輩方や同期の研究報告を聞けるので、広い視野をもって研究に臨めるのが大きな魅力

思想文化専攻 日本中世史
2年(2023年度)
Y.T.さん

思想文化専攻は、普段直接指導を受けていない先生方からもご助言を頂けることが魅力です。また、分野の異なる先輩方や同期の研究報告を聞く機会があり、広い視野をもって研究に臨むことができます。私は現在、卒業論文で扱った内容を発展させ、日本中世南北朝時代における南朝勢力の結集要因について研究を進めています。研究に必要な史料を自身で集め、読み解いていく作業は大変ですが、そこが大学院での学びの楽しさでもあると思います。大学院では、学部以上にじっくりと自身の研究テーマに向き合うことができます。その分、自身の勉強不足を実感することもありますが、さまざまな角度から検討を試みることで、一歩ずつ研究を進めていくことにやりがいを感じています。

在学生・修了生からのメッセージ
研究に真摯に取り組む2年間は、何事にも変え難い貴重な時間です

思想文化専攻 西洋美術史
2022年3月修了
K.I.さん

大学院への進学を決めたのは、卒業論文で扱ったテーマをより専門的に学びたいという思いからでした。そのため、学部生の頃から20世紀フランスの女流画家マリー・ローランサンを研究対象とし、現在も引き続き同画家の自画像・肖像画等の作品を中心に、画家の作風変遷にまつわる問題に取り組んでいます。4年間の大学生活でも、美術史の基礎やキリスト教の教義といった幅広い教養を身につけることが出来ますが、大学院ではその知識を活かし、さらなる学びを得られるのが魅力のひとつです。また、時には博士課程の先輩方や他大学の学生と意見を交わし、他分野の先生方からもご指導いただくことで、幅広い視点を持って研究を進めることが出来ます。進学にあたっては不安も多いかと思いますが、研究に真摯に取り組む2年間は、何事にも変え難い貴重な時間です。少しでも興味のある方は、ぜひ先生方・先輩方に相談してみてください。


地球市民学専攻

在学生・修了生からのメッセージ
研究を通して自分の人生を生き直すきっかけに

地球市民学専攻
2017年3月修了
Y.S.さん

2009年に本学の地球市民学科を卒業し、5年間の社会人経験を経て修士課程に進学しました。修士課程では、競争社会における自らの生きづらさの体験を出発点として、障害をもつ人びとと共に生きることの意味を文献調査とフィールド調査を用いてキリスト教的視点から考究しました。また、研究を通して自らの傷が癒やされ、自分の人生を生き直すきっかけとなりました。研究生活は、ときに孤独で、思うように成果が得られず苦しい時期もありましたが、ともに学ぶ仲間や先生方との研究合宿や率直な意見交換など、多くの刺激と励ましを受けました。修了後は、障害のある人びとと共に生活をする中で、ささやかな日常生活の中にこそ、理論と実践とを結びつける発見があると実感しています。大学院を目指す皆さんも、日々の小さな気づきを大切に研鑽を積んでください。


人文学専攻

在学生・修了生からのメッセージ
自らの力で研究を進めていく大変さを乗り越えられた時が、学びの一番楽しいところ

人文学専攻 近代日本美術史
2年(2023年度)
E.K.さん

私は修士論文で扱った藤田嗣治の戦争画についてさらに深く研究したいと考え、博士課程への進学を決めました。修士課程では、パリへ留学し西洋の美術を研究していた藤田の戦争画が西洋画からどのような影響を受けていたのかということを、作者自身の言葉などを参考に考察を行いました。大学院では学部での学びとは違い、自らの力で研究を進めていくためなかなか進まず大変な時もありますが、そこを乗り越えられた時が学びの一番楽しいところだと思います。清泉の大学院には歴史学・哲学・宗教・美術史など様々な分野の先生がいるため、中間報告会などで自分の専攻外の先生方からも意見をいただけるところが大きな魅力の一つだと思います。

在学生・修了生からのメッセージ
自分の関心領域に合わせて研究を進めることができます

人文学専攻 キリスト教思想
2年(2023年度)
A.Y.さん

私は修士課程において研究したカトリックの法学者・田中耕太郎に多大なる影響を与えたV・S・ソロヴィヨフの思想を辿り、東方キリスト教神学や教父思想を研究しています。キリスト教の土台であるユダヤ・ヘブライ思想や聖書学、教義、霊性といった神学を基礎から学ぶうちに、教皇ベネディクト十六世が仰っていたアジアから世界に発信できるキリスト教神秘思想を考えるために、フランシスカン神学やボナヴェントゥラの愛の思想、またその源流のシリアの擬ディオニュシオスへ辿り着き、知的にキリスト教について学ぶだけではなく、信仰的にも自分をみつめるよい機会となっています。私の所属する竹田研究室では、キリスト教の思想、歴史、神学などについて広く学べ、自分の関心領域に合わせて古代から現代に至るキリスト教思想の研究を進めることができます。

在学生・修了生からのメッセージ
過去の日本語について研究し、かつての言語生活の一端を明らかにすることを目標として研究に励みました

人文学専攻 日本語学
2022年9月修了
K.U.さん

言語の「見えないルール」を探ることや、過去の文献を通してかつての日本語の様相を探ることに魅力を感じ、大学院への進学を決めました。博士課程では明治期の漢字字体について研究するため、明治初期に出版された漢語辞書の分析をおこないました。仮説を立てて実証していくため、研究には対象を多角的な視点から観察していくことが必要となります。このような力を養うために先生方、先輩方からご指導を受けながら日々研鑽を積み、主体的に学び、広い視野を持つように心がけるようになりました。過去の日本語について研究することは過去の日本人の足跡をたどることにつながります。かつての言語生活の一端を明らかにすることを目標として研究に励みました。

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