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藤本 猛 専任講師

文化史学科

藤本猛専任講師2

中国近世に生きた人々の営為をたどります
中国の近世、宋代の人々はどのように生き、文明を築いてきたか。残された史資料を手がかりに、その政治・経済・文化的営為をたどり、考察しています。

教員インタビュー

Q1 学生時代の思い出や打ち込んだことについて教えてください。
 小さいころ、私の家庭はよく寺参りに行ったり、西国三十三カ所巡りなどをしていましたので、その影響もあってか、昔から神社仏閣を巡るのが好きでした。大学時代は京都でしたので、寺社を拝観して廻るサークルに入り、あちらこちらを見て回りました。そのときサークル内では朱印集めをする人が多かったのですが、人と同じことをするのがいやな性格でしたので、何か他の珍しいことはないかなぁと思っていました。 
 そんなとき天皇陵に御陵印というのがあることを知り、近畿にある天皇陵を廻るようになりました。これは朱印とは違い、管理事務所にお願いして判子を借りて自分で捺すだけですのでお金もかからず、かつ誰も訪れないところを訪ねて自己満足できるところが気に入りました。畿内を集めたところでとまってしまっていますが、そのうち山口県や香川県の御陵印も集めたいですね。
Q2 先生が、ご自身の専門に取り組むようになったきっかけを教えてください。
 もともと寺社が好きで、小学生のときから奈良や明日香に行っていましたが、ちょうど中学生のときに『宇宙皇子』という日本の飛鳥時代を舞台にしたSF小説にはまり、その時代の人々に興味を覚え、日本の古代史を知りたいと思いました。特に『続日本紀』などの原典の日本語訳を片手に、その虚構部分をはぎ取って事実を探ることに楽しさを感じました。
 そうしていると高校時代に、今度は『重耳』というSFではない中国古代を舞台にした歴史小説に出逢い、その作者の宮城谷昌光氏の小説を芋づる式に読みまして、中国史の世界に引き込まれました。当時漠然と大学には進学しないといけないんだろうと思っていましたが、どうせ行くなら好きなことをやろうと東洋史を専攻しました。ですから私は小説家らに導かれて研究の道に入ったのです。
Q3 研究テーマの魅力や面白さはどのようなところにありますか。
 いまは中国の北宋時代の出来事について研究していますが、歴史学というものはつまるところ人々のやってきたことを復元して追体験し、人間って面白いな、と共感することだと思います。現実世界でも今まで知らなかった人と知り合い、いろんなことを話すと面白いでしょう。歴史学とは残された数少ない情報をもとに、むかしの人々と対話をし、その本人も知らなかったことを知ってしまえる学問です。
 ただそのためには特殊な訓練が必要で、それが暗記であったり、文献の読解力であったりするわけですが、様々な時代のたくさんの人のことを知ることが出来る。そのうえ後世に生まれた者の特権として、上から目線でのアプローチができるのです。かつての偉人たちにダメ出しできるなんて愉快じゃないですか。

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Q4 学生へのメッセージをお願いいたします。
  大学での学習は、学生の皆さんがこれまで過ごしてきた高校までの勉強とは全く異なります。最も大きな違いは、そこに答えがないということです。高校までは出される問題に答えがあり、皆さんはそれを目指して解答をしてきたと思います。
  しかし大学での学習には答えがありません。それどころか問題もありません。問題を作る(発見する)こと自体が皆さんの学習の一部なのです。ですから答えがないのも当然です。このような学習のことを「研究」といい、その成果が論文とかプレゼンテーションでの報告です。もちろん大学でも授業はあり、解答のある試験もありますが、すべては皆さんの研究の手助けとしてあるにすぎません。大事なのは学生の皆さんが自分の力で研究をすすめることです。色々なことに問題意識を持ち、主体的に研究に取り組んで下さい。その真摯な姿勢は、同じく答えのない社会に出たときにも、きっと役に立つでしょう。

教員紹介

氏名藤本 猛
フリガナフジモト タケシ
職種専任講師
所属文化史学科
取得学位博士(文学)
学位取得大学京都大学
専門分野中国近世史
研究テーマ中国の宋代史、特に北宋末、政治を顧みず王朝を滅亡に導いたとされる文人皇帝・徽宗が、為政者として目指したものは何だったのかを考究する。徽宗の立つ歴史的位置をふまえ、権臣宰相・蔡京らとの関係を検討し直すことで、彼が果たした 歴史的役割が見えてくる。これを手がかりに、新たな宋代史像の形成を目指す。
所属学会(役職)
及び受賞歴
東洋史研究会
史学研究会
東方学会
主要業績・『風流天子と「君主独裁制」―北宋徽宗朝政治史の研究』(京都大学学術出版会)2014年
・「妖人・張懐素の獄」(『東洋学報』93)2012年
・「崇寧五年正月の政変―対遼交渉をめぐる徽宗と蔡京の対立」(『史林』92)2009年
・「宋代の殿中省」(『東方学』114)2007年
・「「武臣の清要」─南宋孝宗朝の政治状況と閤門舎人─」(『東洋史研究』63-1)2004年

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