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山本 勉 教授

文化史学科

山本勉教授

日本の仏像彫刻の歴史が専門です
日本美術史担当。特に近世以前の仏像彫刻を実地に調査して、正確なデータを蓄積したうえで、彫刻史の展開や作家の問題を考察する実証的研究に主眼を置いている。

教員インタビュー

Q1 学生時代の思い出や打ち込んだことについて教えてください。
 大学は東京芸術大学の美術学部。そのなかで美学や美術史を学ぶ芸術学科というところにはいりました。十分に予想されたことでしたが、芸大にはいってしばらくは、劣等感ばかりがつのる毎日でした。美術学部のキャンパスにも、音楽学部のキャンパスにも、毎日毎日自分の専門の実技にうちこんでいる学生がいます。そういう実技の学生にくらべて、自分は何もしていない、何もできない者であるような気がしたのです。少しばかり興味をもった初期ルネサンス絵画にも、母親が描いていたこともあって多少の縁のあった日本の南画にも、積極的にはちかづけずにいて、お酒ばかり飲み、飲んではつぶれていました。それもなつかしい思い出ではあるのですが。
Q2 先生が、ご自身の専門に取り組むようになったきっかけを教えてください。
 大学2年次に古美術研究旅行、略称古美研というカリキュラムがありました。秋に2週間、京都・奈良の寺社をまわるのです。その際におとずれた奈良・円成寺で仏師運慶が1176年につくった大日如来像という仏像に出会いました。写実的な肉体表現を見て、それまでもっていた仏像のイメージがくつがえされました。この作品と作家のことを知りたいと、無条件に思いました。自分でもおどろくほど、すんなりと彫刻史を勉強しようと思いました。東京に帰ってから先輩から声をかけられ、いっしょに仏像調査にでかけるようになりました。やがてその調査に、いまでも仕事でご一緒している先生におでましいただくことも、また先生の調査にくわえていただく機会もうまれました。それまでの鬱屈した気持ちの反動もあったのでしょう。猛然と勉強をはじめました。それ以来、わたしはずっと仏像の研究者だといってよいでしょう。仏像を調べること、仏像やその歴史を書くこと、語ることがわたしの生涯の仕事になったのです。
Q3 研究テーマの魅力や面白さはどのようなところにありますか。
 仏像はインドから中国に伝わり、朝鮮半島をへて、6世紀に日本にはいってきたものです。その世紀の末には日本でも仏像がつくられるようになりました。以来、現代まで、日本ではもう1500年に近い長いあいだ、仏像がつくられ、まつられ、拝まれ、そしてみつめられ続けているのです。この間に、仏像に対する独特のまなざしが形成され、本家のインドや直接の手本であった中国・朝鮮よりも、アジアの仏教国のどこよりも、多様で繊細な、仏像をめぐる豊富な歴史が展開し、蓄積されることになりました。現代は仏像ブームだといいますが、日本の仏像ブームはけっして近現代に始まったものではなく、古代にさかのぼる伝統があるのです。日本社会の歴史や日本人の心の歴史を知るうえで格好のテーマだと思っています。

yamamoto_sensei

Q4 学生へのメッセージをお願いいたします。
  文化史学科の学生の活動団体である文化史学会編集の雑誌『創』の巻末に掲載されている、各年度の卒業論文のタイトル一覧をみてください。文化史学科の学問のさまざまのアプローチの方法や、時間的な、あるいは空間的なひろがりを実感できます。これから卒業論文を書くみなさんは、ぜひこの一覧をながめながら、自分の論文のタイトルがここに載る日のことや、その日までの自分の毎日を想像してみてください。同時に、卒業論文のその先も考えてみてください。多くのみなさんにとっては、その後のそれぞれの人生のなかで、文化史学科の課題がそのまま人生の課題ではないかもしれませんが、文化史学科の課題や理想は、卒業で終わるものではありません。あなたのこれからの長い人生に、いつも寄りそってくれる随伴者として、あなたの人生を深く豊かなものにしてくれるでしょう。

教員紹介

氏名山本 勉
フリガナヤマモト ツトム
職種教授
所属文化史学科 思想文化専攻 人文学専攻
取得学位芸術学修士
学位取得大学東京芸術大学
最終学歴東京芸術大学大学院博士後期課程(美術研究科美術専攻芸術学研究領域)中退
専門分野日本美術史
研究テーマ古代から近世に至る日本彫刻史。特に鎌倉時代彫刻について正確な記述や実証的な解釈を蓄積したうえで、それらを素材として同時期の彫刻史の展開や作家の問題を考察することに主眼を置く。同時にその基礎に立って、日本美術史の他のジャンルとの、あるいは東洋諸地域を始めとする他地域の美術史との比較研究に及ぶことをめざしている。
所属学会(役職)
及び受賞歴
美術史学会
密教図像学会
主要業績・『日本彫刻史基礎資料集成』鎌倉時代造像銘記篇(共編著)中央公論美術出版 2003年~
・『日本仏像史講義』平凡社 2015年
・『運慶・快慶と中世寺院ー鎌倉・南北朝時代Ⅰ―』(編著『日本美術全集』7、小学館 2013年
・『運慶にであう』小学館 2008年
・『続仏像のひみつ』朝日出版社 2008年
・『仏像のひみつ』朝日出版社 2006年
社会活動、
文化活動等
・東京国立博物館名誉館員
・文化審議会文化財分科会第一専門調査会委員
・東京都文化財保護審議会委員
・横浜市文化財保護審議会委員
・鎌倉市文化財専門委員会委員

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