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笹田 裕子 教授

英語英文学科

笹田裕子准教授

児童文学の世界を様々な角度から味わいます
英米児童文学の中のファンタジー文学を対象に、時代背景および文化や伝承との関連も視野に入れながら、別世界の成り立ちと構築方法について研究しています。

教員インタビュー

Q1 学生時代の思い出や打ち込んだことについて教えてください。
 いちばん印象に残っている思い出は、大学3年生の夏季休暇中に、生まれて初めて外国へ旅をしたことです。仲がよかった友人と2人で、様々な大学の学生から成る「上智船上大学」という課外活動に参加しました。ギリシャから始まり、24日間ヨーロッパの国々を回る企画でした。宿泊先や交通機関の予約は日本で事前に済ませてから出発しますが、あえて添乗員さんには同行していただかず、観光名所を回るのも食事(朝食以外の2食)を調達するのも(食事をする場所を見つけるのも含め)、全て学生どうしで助け合ってどうにかします。ドイツ語圏では独文科の学生が活躍してくれましたが、英文科の学生が友人と私だけだったので、それ以外の国では何かと私共が前に出されました。当時引っ込み思案だった私にとっては、非常に貴重な体験でした。旅が終わる頃には、見知らぬ土地を訪ねることも、人と話すことも、楽しいと思うようになっていました。
Q2 先生が、ご自身の専門に取り組むようになったきっかけを教えてください。
 幼少時から本を読むのが好きでした。ある日、読んでいる本の中には、外国語から日本語に訳された物もあることに気づきました。3年生から英語が科目の中にある小学校に通っていたので(易しい英単語や英語の歌、英会話の初歩程度までしか習わない「英語を楽しむ」内容でしたが)、身近な外国語として中学校から本格的に英語を学ぶのを楽しみにするようになりました。好きな作品を原書で読めるようになると思ったからです。やがて、自分が好きな作品にはイギリスのものが多く、「ファンタジー」と呼ばれるジャンルに属するものが多いことを知りました。大学受験の時期がくると、迷わず英文科に進みたいと思いました。卒業後は会社に勤めましたが、また勉強したくなりました。ファンタジーを含む児童文学を専門に学ぶことができる大学院があると知り、イギリスへの留学を決めました。それ以降、現在の専門分野の研究に取り組むようになりました。
Q3 研究テーマの魅力や面白さはどのようなところにありますか。
 研究対象となる児童文学作品の中には、誰もが幼い頃一度は触れたことがある作品、あるいは時を忘れて夢中になったことがある作品が少なくないというのは、最大の魅力であろうと思います。実際に子どもだった時には日本語訳で読んだ懐かしい作品を、今度は原書で読むというのは、非常に新鮮な体験です。歴史・社会・文化など、その作品が生まれた背景を読みとることもできるでしょうし、時を経て読むと、子どもの頃とは違う箇所が印象に残ったり、読み過ごしていた点に気づいたりと、発見に満ちた新たな読み方をすることもできるでしょう。さらに、ファンタジー作品が誘ってくれるのは、別世界です。日常の中にふいに姿を現す不思議との出遭いから、此処ではないどこかに存在する緻密に創り上げられた世界まで、作品世界にいる間は、現実を離れ様々な旅を楽しむことができます。

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Q4 学生へのメッセージをお願いいたします。
  大学に入った時、いちばん嬉しかったのは、好きなことを学べるということでした。「好き」だと思う気持ちは、ぜひ大切にしてください。好きなものについては、もっと知りたいと思うのは自然なことですし、知れば知るほど楽しくなるだろうと思います。「学ぶ」とは、「深く知る」ことです。その時間を充分に確保できる機会というのは、人生の中で決して多くないということを、記憶のどこかにとどめておいてください。「運命の女神には前髪しかない」という話を聞いたことはあるでしょうか。その時つかまなければ、機会というのは二度とはつかめないものだという意味です。後でつかもうとしても遅すぎます。過ぎ去ってしまったものは戻ってきません。今、つかんでください。“Seize the day.”

教員紹介

氏名笹田 裕子
フリガナササダ ヒロコ
職種教授
所属英語英文学科
取得学位博士(人文学)
学位取得大学清泉女子大学
最終学歴清泉女子大学 博士(人文科学研究科 人文学)
専門分野英米児童文学、ファンタジー文学
研究テーマ英米児童文学、特にイギリスのファンタジー作品を研究テーマとする。 MilneやDahl などに代表されるlight fantasy、LewisやTolkienなどのhigh fantasy をはじめPullmanやRowling など別世界を描く作品を対象に、別世界の構築、ファンタジーの語りの手法と普遍性について、検証と分析を重ねている。映像化作品、絵本、コミックなど視覚 化されたファンタジー作品についても、考察の対象としてきた。また、大衆向けのチャップブック、中世騎士物語、妖精に関する伝承、および玩具や子ども部屋 など文化的側面にも関心を寄せている。
所属学会(役職)
及び受賞歴
日本イギリス児童文学会 東日本支部支部長
日本児童文学会
IRSCL(International Research Society for Children's Literature)
日本英文学会
主要業績・‘The Wish-granters in Children's Fiction: Comparison Between the Psammead and Draemon’『清泉女子大学紀要』第63号 2015年12月
・「幼年読者の本に関する一考察 ―― Lewis Carroll の The Nursery Aliceにおける語りの技法 ―― 」『清泉女子大学人文科学研究所紀要』第37号 2016年3月
・(発表)‘The Re-creation of Childhood in Doraemon: The Self-realisation and Self-development of the Boy Protagonist through the Relationship with a Cat Robot Gifted by His Descendant’  
the IRSCL 22nd Biennial Congress 2015年8月
・『英語圏諸国の児童文学Ⅰ[改訂版]  ―物語ジャンルと歴史― 』(共著)ミネルヴァ書房 2013年11月 
・『子どもの世紀 ―表現された子どもと家族像― 』(共著)ミネルヴァ書房 2013年7月
・『英米児童文化55のキーワード』(共編著)ミネルヴァ書房 2013年3月
・『図説クリスマス百科事典』(共編訳)柊風舎 2007年12月
・『ナルニア国フィールドガイド』(共訳)東洋書林 2006年1月
・‘A Journey to the Reattainment of the Self in Roverandom ’(『清泉女子大学紀要』53号)2005年12月
・『A. A. ミルン』英米児童文学評伝叢書第4巻(共著)KTC中央出版2002年10月
・「Roald Dahl のThe Wish ―「遊び」という幻想空間―

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