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木村 琢也 教授

スペイン語スペイン文学科

木村琢也教授

スペイン語の正しい発音を習得しよう
スペイン語の音声、特にアクセントとイントネーションについて研究しています。日本人のスペイン語発音・聴き取りの能力を向上させる方法を考案しています。

教員インタビュー

Q1 学生時代の思い出や打ち込んだことについて教えてください。
 大きく分けて三つのことに打ち込みました。一つ目は勉強、と言うとかっこいいですが、必ずしも授業科目の勉強を熱心にやったわけではなく、いろんな外国語の入門書を見たりラジオ講座を聴いたりして広く浅く勉強しました。言語学の本も、わかろうがわかるまいがとにかく読みました。身についた外国語よりも身につかなかったもののほうが多いですが、身につかなかったものも含めてすべて現在の私の血肉になっていると思います。(矛盾してるかな?)二つ目は合唱です。大学の合唱団にはいって、歌ったりピアノ伴奏をしたりしました。作曲、編曲、指揮もやりました。かなりのエネルギーと時間をこれにつぎ込みました。今ではそんな時間も体力も根性もありません。三つ目は学園祭恒例のスペイン語劇です。一年生と二年生のとき、いずれも役者として舞台に立ちました。一部メンバーの熱血青春ドラマ的熱中ぶりについて行けなくなり、三年生のときは一観客として客席から見たら、これが素晴らしい出来で、ちょっと悔しい思いをしたものです。
Q2 先生が、ご自身の専門に取り組むようになったきっかけを教えてください。
 スペイン語との出会いは小学3年生のとき、当時NHK教育テレビで放映されていたアメリカの子供向け番組「セサミ・ストリート」でした。1時間の番組のほとんどが英語のみでできているのですが、その中で毎回5分間ほど、使用言語がスペイン語になる時間があったのです。ヒスパニック系の子供たちのためのコーナーだったことが、今ではわかります。もちろん当時の私には英語とスペイン語のどちらも理解できませんでしたが、英語とは明らかに異なるスペイン語の音の響きに何とも言えない魅力を感じたことを覚えています。4年生のときのお年玉で『スペイン語四週間』(大学書林)を買ったりしましたが、もちろん読んでも全然わかりませんでした。中学高校時代はスペイン語と縁のない生活を送り、大学に進学する際にふとスペイン語のことを思い出し、スペイン語学科というところに入学しました。あれよあれよという間に40年近くが経過し、今日に至ります。
Q3 研究テーマの魅力や面白さはどのようなところにありますか。
 おそらくどんな分野でもそうだと思いますが、研究の醍醐味は「常識が揺らぐ瞬間」にあると思っています。私の専門分野である音声学で言うならば「どの音とどの音が同じで、どの音とどの音が違うか」という判断が言語によって違う、これを知ったときに私の常識が揺らぎました。ちょっとわかりにくいでしょうか? 皆さんがご存じの英語の例を出すと、lightは「光」、rightは「正しい」で、全く意味が違います。発音も違うのですが、多くの日本人には同じに聞こえますね。でも英語のネイティブは、「どうしてこんなにはっきりと違う音が日本人には同じに聞こえるのだろう」と不思議に思っているはずです。一方、こんなこともあります。スペイン語で「私」のことはyoと言いますが、これを日本人が「ヨ」と発音しても「ジョ」と発音しても立派に「私」という意味で通じるのです。どうやらスペイン語の話し手にとって日本語の「ヨ」と「ジョ」は同じに聞こえるらしいのです。「ヨ」と「ジョ」なんて全然違う音なのに! こんなふうに、幼児の頃に最初に身につけた言語が違うと、物理的に同じ音が違って聞こえたり、違う音が同じに聞こえたりする、その不思議にハマっています。

kimura_sensei

Q4 学生へのメッセージをお願いいたします。
 教室の椅子にすわって学者先生のお話を聞く、図書館にこもって調べ物をする、友だちと何時間もおしゃべりをする、時には言い争いをする・・・こうしたことは、大学生活真っただ中の皆さんにとっては極めて日常的で当たり前なことですね。当たり前すぎてウンザリするほどかもしれません。しかし、いったん学生という身分から離れてしまうと、これらすべてのことが実は当たり前ではなかったことに気づきます。できなくなるわけではありません。でも、ずっとやりにくくなりますし、時間もはるかに限られたものになります。ですから、学生の皆さんには、学生でなくてもできるようなことは後回しにして、学生でないとできないこと、やりにくくなってしまうこと、そういうことを見つけてそれに打ち込んで欲しいと思います。

教員紹介

氏名木村 琢也
フリガナキムラ タクヤ
職種教授
所属スペイン語スペイン文学科
取得学位文学修士
学位取得大学東京外国語大学
最終学歴東京外国語大学大学院修士課程(外国語学研究科 ロマンス系言語専攻)修了
専門分野スペイン語学、音声学
研究テーマスペイン語の音声学・音韻論、特にアクセントとイントネーションを主な研究テーマにしている。スペイン語発話のピッチ(声の高さ)変化の要因を解明し、抽象的な音韻論から音響音声学までをひとつの理論で結びつけることを目指す。その他スペイン語学全般および日本語とスペイン語の文法の対照研究にも興味がある。
所属学会(役職)
及び受賞歴
日本音声学会 評議員・企画委員
日本イスパニヤ学会
日本ロマンス語学会
日本音響学会
International Phonetic Association
主要業績・¿Cuál es el día de tu cumpleaños?と¿Cuándo es tu cumpleaños?をめぐって――日西語対照の観点から――(『イスパニカ』40号)1996年12月
・ 『クラウン西和辞典』(共編)三省堂 2005年2月
・Mismatch of Stress and Accent in Spoken Spanish (Yuji Kawaguchi et al. (ed.), Prosody and Syntax: Cross-linguistic Perspectives, John Benjamins Publishing Company, Amsterdam / Philadelphia)2006年5月
・『西和中辞典〔第2版〕』(共編)小学館 2007年4月
・El tono HLH* ―una señal perceptiva que indica un límite (共著、Antonio Pamies, Mari Cruz Amorós, José Manuel Pazos (ed.), Experimental Prosody (Language Design, Special Issue 2), Facultad de Filosofía y Letras, Universidad de Granada)2008年10月
・Influencia de la entonación española en la percepción del acento por parte de estudiantes japoneses (共著、Estudios de Fonética Experimental, XXI, Laboratori de Fonètica, Universitat de Barcelona)2012年12月
社会活動、
文化活動等
・NHKラジオスペイン語講座講師 1999年4月~6月, 2000年4月~6月, 2001年7月~9月, 2002年4月~9月, 2003年10月~2004年3月, 2006年4月~9月,2007年10月~2008年3月
・『スペイン語へようこそ!』同学社 2000年2月(新訂版 2008年2月)
・『ことたびスペイン語』白水社 2002年4月
・『携帯版スペイン語会話とっさのひとこと辞典』(共著)DHC出版 2004年12月
・日本音声学会 第16回音声学セミナー「IPA(国際音声記号)入門」講師 2009年3月

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