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鈴木 直喜 教授

地球市民学科

鈴木直喜教授

国際社会を多角的な観点から議論します
社会の現場で働く場合、どのような知識がより好ましい実践の助けとなるか、政治、経済、社会、環境等、さまざまな学問領域を具体的な行為との関係で分析します。

教員インタビュー

Q1 学生時代の思い出や打ち込んだことについて教えてください。
 学生時代に、一番打ちこんだのは自転車です。幼稚園の頃、二つ上の兄がこぐ自転車の後ろを一生懸命走って追っかけたのが、自転車への憧れの始まりです。小学生になると、兄のお古の自転車が私に回ってきました。それで私の行動範囲が大きく変わりました。小学校から帰ると地図を片手に自転車で「探検」に出かけました。都下に住んでいた私は、小学校を卒業する頃には三多摩地区全域を走り回っていました。その後、中学や高校でも勉強はそっちのけで房総半島や伊豆半島、蓼科等々、自転車で出かけました。
 親から勉強を強要されたことは無く、自由に過ごした私は、受験勉強をしなくても入れてくれる高校に入り、大学は、好きだった数学と理科の試験だけで入れる学校へ入学しました。大学で物理に出会い、初めて興味を抱き、主体的に勉強しました。
 小中高時代は、何かに秀でるわけでもなく、特別ないたずらっ子でもなく、人と比較されない目立たない生徒として生きのびました。自分の支えとなったのが、学校から解放してくれた自転車での小さな探検でした。この経験が、人生の岐路に於いて、人と異なることを志向する基礎になっているようです。
Q2 先生が、ご自身の専門に取り組むようになったきっかけを教えてください。
 就職に魅力を感じなかった私は、物理学科を卒業した後、青年海外協力隊の理数科教師でアフリカのマラウイへ赴任しました。そこで異なる政治・経済・社会・文化・言語環境にいる人たちに魅了されました。2年の任期終了後、マラウイの政治社会環境に興味を抱き大学院へ入りましたが、そこで出会った先生の紹介で、今度はエチオピアへNGOの現地代表で赴任しました。当時のエチオピアは100万人が餓死する大飢饉に見舞われており、食糧援助や復興支援のお手伝いをしました。しかし政府と反政府 ゲリラの紛争が東西陣営の軍事的サポートを受けてますます激化しており飢餓者が無視されました。内戦が激化し援助どころではなくなり帰国した私は、開発学を先導する一方でアフリカを戦場としている欧米に批判的な興味を抱くようになりました。その実態を理解すべくアメリカの大学院へ留学しました。そこで出会ったのが知識と実践のかけ橋となるプランニングという学問です。
Q3 研究テーマの魅力や面白さはどのようなところにありますか。
 プランニングは、「未来へのガイド」や「希望・期待の組織化」と称されます。理解することを重視して伝統的学問は発達してきましたし、それは今後も重要でしょう。一方、その理解を実践へと繋げることに関して、必ずしもそれぞれの学問領域が答えを提供してくれているわけではありません。内戦が激化するエチオピアでは、どのような知見が、人々を幸せにする実践へと導いてくれるのでしょうか。政治や経済、そして文化を理解していることは重要でしょうが、理解だけでは実践になりません。では何をどのようにするのでしょう。具体的な仕事は、現地の実態調査、関係機関の担当者との会議、食糧配給の段取りや被災者への連絡、スタッフ間の仕事の調整、提案書や報告書の作成等々、雑多です。プランニングは、既存学問からの知見により、この雑多な仕事を有機的・効果的に実践できるようにするための「繋げる学問」です。

suzuki_sensei

Q4 学生へのメッセージをお願いいたします。
  プランニングの視点から考えると、学生の皆さんが、何のために授業に出席しているのかが気になります。高校の時、勉強は受験のためという意識があったでしょうか。大学では、必要単位数を取得して卒業するための勉強となっていませんか。そうならば授業内容は関係なく、「楽勝授業」志向になってしまいます。しかし、それぞれの授業での学びは、単位を超えて、皆さんが、将来に希望を抱ける能力を身につける訓練としての価値があるのではないでしょうか。英語力を身につけることで、交友関係や仕事の幅が広がるでしょう。社会をより深く理解できれば、より適切に自分に合った仕事・活動を選べるでしょう。今、学んでいることが、皆さんに、明るい未来を提供するガイドとなるでしょう。充実した学生生活を送ることを願っております。

教員紹介

氏名鈴木 直喜
フリガナスズキ ナオキ
職種教授
所属地球市民学科
取得学位 Ph.D.
学位取得大学コーネル大学
最終学歴コーネル大学大学院都市及び地域計画学研究科Ph.D(都市及び地域計画学)取得
専門分野計画論、NGO論、環境経済学
研究テーマグローバリゼーション下のNGOの働きを中心に、市民社会の計画論を研究テーマとする。特に、環境問題を中心テーマとして、公共財の概念の再構築の可能性を探る。国家を超えた地域や地球規模での公共性を共有していく過程として、多様なアクターに着目し、それらのアクターがどのような審議過程を通して、意思決定をしていくことが可能かを考える。
所属学会(役職)
及び受賞歴
International Society for Third-Sector Research (ISTR)
American Sociological Association (ASA)
日本国際開発学会
主要業績・Inside NGOs.Intermediate Technology Publications. 1998
・「国際協力の矛盾:企業戦士になるNGO実務者」金敬黙、他編 『国際協力NGOのフロンティア:次世代の研究と実践のために』明石書店 2007年3月
・“The Challenge of Dialogue for Practitioners: Risking the Unexpected” in Dialogue in Pursuit of Development:edited by Jerker Carlsson and Lennart Wohlgemuth. Sweden: Expert Group on Development Issues 2003
・「地球公共財を創出する市民」庄司興吉編著『地球市民学を創る』東信堂 2009年
社会活動、
文化活動等
・(特活)シェア=国際保健協力市民の会(SHARE)理事
・(特活)パルシック(PARCIC)理事

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