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スペイン語圏のノーベル文学賞特集

図書館では、定期的に展示コーナーにおいて、貴重書などの展示を行っております。

ぜひ、貴重な資料をご覧ください。

<2011年1月は、スペイン語圏のノーベル文学賞です。>

【ノーベル賞】 

スウェーデンのアルフレッド・ノーベルの遺言で、彼の遺産を基金にした、世界でもっとも権威のある賞。
ノー ベル賞は物理学、化学、医学生理学、文学、平和の5部門に分かれている。選考にあたっては、毎年約2000に及ぶ推薦の依頼が、これまでのノーベル賞受賞 者、全世界の学者、その他の関係者に極秘裏に送られる。最終選考は秘密会議で慎重な検討と調査がなされる。物理学賞、化学賞はスウェーデン科学アカデ ミー、医学生理学賞はストックホルムのカロリン医学研究所、文学賞はスウェーデン、フランス、スペインの3アカデミー、平和賞はノルウェー国会選出の五人 委員会が選考にあたる。科学分野は、研究内容が極度に分化したこともあって、1970年代半ば以降1部門に2、3人の受賞者が出るようになった。
なお、1969年からは、経済学賞が加えられたが、ノーベル賞基金とは別のもので、スウェーデン国立銀行の記念事業として始められたものであり、スウェーデン科学アカデミーが選考にあたっている。年によっては、ある部門に受賞者がいない場合もある。

(『日本大百科全書』小学館より引用)

 『ノーベル賞 100年のあゆみ』

 『ノーベル賞 100年のあゆみ』

スペイン語圏のノーベル文学賞

スペイン語スペイン文学科教授  杉山 晃
 
私が中学生のころ、中米グアテマラの作家アストゥリアス(Miguel Angel Asturias)がノーベル文学賞を受賞した(1967)。ラテンアメリカからの受賞者ということで感激したのを覚えている。翌年には川端康成が受賞 し、両者の著作が近所の本屋の店頭に並んだ。訳書のページを繰りながら、『大統領閣下』や『グアテマラ伝説集』を原書で読んでみたいと思ったものだ。スペ イン語圏からの受賞者はアストゥリアスで5人目だった。あとの4人は、スペインのエチェガライ(Jose Echegaray, 1904)、ベナベンテ(Jacinto Benavente, 1922)、ヒメネス(Juan Ramon Jimenez, 1956)、それにチリの女性詩人ミストラル(Gabriela Mistral, 1945)である。

 大学に入ると、ヒメネスの散文 詩『プラテーロとわたし』を講読の授業で読んだ。アンダルシア地方の田園風景のなかで、詩人が銀色のロバに語りかける心地よいリズムのスペイン語がいまも 心に響いている。これら138編の散文詩を翻訳された長南実先生は、のちに清泉の教壇にも立たれた。

 大学時代にはさらに2人の詩人が ノーベル賞を受賞した。チリのネルーダ(Pablo Neruda, 1971)とスペインのアレイクサンドレ(Vicente Aleixandre, 1977)である。ネルーダは日本でも愛読されてきた詩人だが、代表作の『マチュピチュの頂』は複数の日本語訳で読むことができる。
 でっぷり と太った美食家のネルーダは、ノーベル賞を受賞したときはフランス駐在大使だった。にぎやかなパーティが好きで、ワインの目利きでもあった。よくラテンア メリカの若い世代の作家たちを招いて、料理で歓待した。ルルフォ、ドノソ、ガルシア=マルケス、バルガス=リョサ、フエンテスらがその客となった。そして 彼らは邸宅のそこここに置かれた蒐集品に感嘆の声をあげた。――木製の船首像や船の舵(かじ)や羅針盤、色とりどりの瓶や海洋図、マッチ棒でつくった帆船 を内蔵したボトルなど、「そこはまさしく詩的な空間だった」とバルガス=リョサは述懐している。

 そうした若い作家たちは、やがてラテン アメリカ文学の隆盛期、いわゆる「ブームの時代」を築きあげた。スペインのセラ(Camilo Jose Cela, 1989)、そしてラテンアメリカからはその後3人の受賞者が誕生している。――コロンビアのガルシア=マルケス(Gabriel Garcia Marquez, 1982)、メキシコのパス(Octavio Paz, 1990)、それにペルーのバルガス=リョサ(Mario Vargas Llosa, 2010)である。彼らのほとんどの作品はすでに日本語に訳されているが、なかでもガルシア=マルケスの『百年の孤独』や『族長の秋』、バルガス=リョサ の『都会と犬ども』や『緑の家』などが秀逸だ。誰もが表現し得なかったまったく新しい世界がそこに広がっているのである。

本学所蔵 スペイン語圏のノーベル賞作家資料

図書館内の【スペイン語圏のノーベル賞】関連展示風景

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