
猛暑の勢いが弱まった7月23日(土)、山本勉教授(本学文化史学科)による大人気の仏像講座が、ラファエラ・アカデミア春期《一日講座》のトリを飾りました。『ひみつの仏像』と題された今回は、東京国立博物館で開催中の『空海と密教美術展』の予習に最適ということもあり、当日は多くの仏像、仏教美術愛好家が足を運んでくださいました。開場の1時間も前からお待ち頂いた方もいらしたほど、受講生の皆さまの熱心さには頭が下がるばかりです。
さて、ヒトは「ひみつ」といわれるといやが上にも知りたくなるもの。長い仏教の歴史のなかで、「密教」とは何ぞや、いわゆる「仏教」と一体何が違うのか…そのような期待を胸に暗闇の中、次々と映し出される画像に目を凝らしました。

日本、中国、インドにおける密教とそれ以前の仏教成立には時間差があるって知ってました? インドからはるばる日本まで伝播してきたのだから、時間差があるのは当たり前なんですが。それにしても・・、仏教成立がインドでは紀元前5世紀。その後、1000年近くの時間を経て5~6世紀に密教が成立しました。中国では仏教伝わったのが紀元前2年、そして密教成立は約500年後の6~7世紀とのこと。いっぽうの日本では仏教自体が6世紀半ばに伝来し、その後9世紀に中国に留学した空海によって密教が伝わったのです。
日本における仏教伝来と密教、その時間差はわずか250年ほど。インド、中国、そして日本。大陸から島国へ。国によるこの成立時期の妙、そして250年に「わずか」という形容詞を付けたくなるほどの、仏教の持つその長い歴史とスケールの大きさに圧倒されるばかりでした。
受講生の皆さまは、この講座で学んだ知識を携えて国立博物館へ向かわれたのでしょうか?展覧会に行くのなら、山本先生曰く、「平日(金曜)の夜がお勧め」とのことですよ!