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齋藤 華子 教授
スペイン語スペイン文学科(2025年度より総合文化学科)
外国語を学ぶ意義について考えます
私たちはなぜ外国語を学ぶ必要があるのか、また日本の外国語学習環境においては、どのような学び方が適しているといえるのかを、スペイン語学習者を対象に調べています。教員インタビュー
Q1
学生時代の思い出や打ち込んだことについて教えてください。
父が外国語の勉強をするのが好きで、家には様々な言語の入門書や辞書、地図帳などがたくさんありました。おそらくそうした影響をじわじわと受けていたのでしょう。気がついたら好きな科目は英語でした。でもそのうちに、できるだけみんなが学ばない言葉を知りたいと思うようになり、ラテンの明るい雰囲気に漠然と惹かれ、大学ではスペイン語を学ぶ道を選びました。毎日新しい文法事項を学び、単語や構文を覚え、地味な作業を繰り返す日々は、当時多くの人が描いていた、キラキラと華やいだ大学生活とは程遠いものでしたが、このときの地道な学びが、教える立場となった今の私のベースになっているのだと思います。Q2
先生が、ご自身の専門に取り組むようになったきっかけを教えてください。
大学時代には授業の合間に、家庭教師のアルバイトをたくさんしました。小学生に国語を、中学生・高校生に英語を教えたりしましたが、科目やレベルが異なっても、どのように教えたら理解してもらえるのか、一生懸命考えて臨んでいたように思います。教えることに関心を持ち始めたのも、この頃からかもしれません。
大学院生のときには、初めてスペイン語を教える経験もしました。未熟な私でも「先生」と呼ばれ、「とってもわかりやすかったです」などと褒められることで、これまで学んできたことが誰かの役に立つことを実感しました。自分の将来像をなかなか描けなかった私を、そうしたほんの一言が後押ししてくれたように感じます。自分の授業を通してスペイン語の理解を深めていく生徒・学生たちの変化がとてもうれしく、外国語の教え方・学び方をもっと知りたいと思うようになりました。
大学院生のときには、初めてスペイン語を教える経験もしました。未熟な私でも「先生」と呼ばれ、「とってもわかりやすかったです」などと褒められることで、これまで学んできたことが誰かの役に立つことを実感しました。自分の将来像をなかなか描けなかった私を、そうしたほんの一言が後押ししてくれたように感じます。自分の授業を通してスペイン語の理解を深めていく生徒・学生たちの変化がとてもうれしく、外国語の教え方・学び方をもっと知りたいと思うようになりました。
Q3
研究テーマの魅力や面白さはどのようなところにありますか。
同じ教科書で同じ時間外国語を学んでも、全員が同じ成果を得られないのはなぜなのか、日本という環境で外国語を学ぶ日本語話者には、どのような学び方が適しているのか、こうした悩みの解決策を探していくことは、大学でのスペイン語学習だけでなく、将来、他の言語を学ぶときにも生かされると考えます。毎日の授業に直結するテーマであり、教える側にあっても、学習者の視点で物事を考える大切さに気づかせてくれるテーマだと思っています。さらには、そもそも私たちがスペイン語という言語を学ぶことにはどのような意味があるのか、その意義をどのように伝えていったらよいのかということが、最近の関心事となってきました。英語の必要性が強く主張される今だからこそ、スペイン語教育に携わる者として、あらためて考えていかなければならないと感じています。
Q4
学生へのメッセージをお願いいたします。
大学生の頃、親しい友人が言った、「二つの道があってどちらに進めばよいか迷ったときには、大変そうだなと思う方を選ぶようにしている」という言葉にずっと影響を受けてきました。当然ながら、失敗や挫折も味わってきたわけですが、人はもがき苦しむからこそ、なんとか次の方策を見つけようと努力するのでしょう。みなさんも、自分を型にはめないで、勇気を出して一歩踏み出してもらいたいと思います。多くの挑戦・失敗を経験することで、ちょっとしたことではへこたれない強さが育っていくのだと信じています。教員紹介
氏名 | 齋藤 華子 |
フリガナ | サイトウ ハナコ |
職種 | 教授 |
所属 | スペイン語スペイン文学科(2025年度より総合文化学科) |
取得学位 | 修士(言語学) |
学位取得大学 | 上智大学 |
専門分野 | スペイン語教育学 |
研究テーマ | 自律的な外国語学習者育成を目標に、スペイン語を学ぶ日本の大学生に適した学習法を検討している。また、外国語学習における高大連携を視野に入れながら、多言語学習の意義をまとめている。 |
所属学会(役職) 及び受賞歴 | 日本イスパニヤ学会 上智言語学会 外国語教育学会 |
主要業績 | ・『ポケットプログレッシブ西和・和西辞典』(共著)小学館 2003年11月 ・『西和中辞典 第2版』(共著)小学館 2007年4月 ・『デイリーコンサイス西和・和西辞典』(共著)三省堂 2010年5月 ・「スペイン語児童書の難易度の検討-動詞に着目して-」『言語教育研究』第7号 2015年6月 ・「初級スペイン語学習者に必要な文の構成に関する知識」『清泉女子大学紀要』第64号 2017年1月 |
社会活動、 文化活動等 | ・『レベル別スペイン語文法ドリル-文法をきちんとおさえたい人のために-』(共著)朝日出版社 2009年1月 ・『スペイン語のある風景』(共著) 同学社 2013年2月 ・『イメージ・スペイン語』(共著) 朝日出版社 2019年1月 ・ラジオ講座講師 NHKラジオ「まいにちスペイン語」入門編 日本放送協会 2020年4月~2021年3月 ・ラジオ講座テキスト執筆 NHKラジオ「まいにちスペイン語」入門編 NHK出版 2020年4月~2021年3月 ・テレビ講座講師 NHKテレビ「旅するためのスペイン語」 日本放送協会 2022年10月~2023年3月 ・テレビ講座テキスト執筆 NHKテレビ「旅するためのスペイン語」 NHK出版 2022年10月~2023年3月 |