地球市民学科の映像制作プロジェクト

教育研究充実のための特別資金にて行っていた「プロと学ぶ映像表現法」のプロジェクトをご紹介します。
※現在、このプロジェクトは実施していません(映像制作を扱う正課の授業科目「映像表現法」を履修することは可能です)

動画公開中映像作品紹介

おいしい国際協力(4分53秒)
清泉女子大学にある「清泉カフェ」で今人気のスイーツといえば「塩サブレ」。実は、こ­の「塩サブレ」、ただ美味しいだけではないのです。この「塩サブレ」に隠された秘密と­は一体? そして、学生たちがこのスイーツを買い求める理由とは?
※現在、清泉では活動していません。

アンネのバラの奇跡(5分8秒)
清泉女子大学の中庭で季節外れの1月末に咲いた「アンネ・フランクのバラ」。バラが花開い­たその日は、奇しくも、アウシュビッツ解放70周年の翌日でした。そして、清泉女子大学にアンネ・フランクのバラがやってきた経緯とは?

映像作品掲載ページへのリンク


映像制作プロジェクトについて

映像制作プロジェクトについて

~ iPhoneとiPadのみで行う実践的な映像制作講座~
 今、インターネットの世界は、本格的に「動画の時代」へと突入しました。現在でも、インターネット上のデータの約80%を動画が占めていますが、数年後には90%に達するだろうといわれています。これからの時代、世の中に重要なメッセージを発信するための手法として、動画関連の技術を身につけておくことは極めて重要だと言えます。

 そこで、「映像表現法」を学び、実際に映像作品を作るための特別講座を授業とは別に行っています。この講座の特徴は、基本的にiPhoneとiPadのみで映像制作を行う技法を習得できる点にあります。高価な機材に頼ることなく、思い立った時に、自分の持っているスマホを使って、映像制作にチャレンジしてほしいと思っているからです。

 講師は、「国際女性メディアバンク」に所属するテレビ番組のディレクターや放送作家など、日本の第一線で活躍する映像制作のプロフェッショナルたち。学生たちは、プロの現場で使われている映像制作の実践的技術を吸収するにとどまらず、作品公開に際しての著作権の問題など、デジタル作品にまつわる法的な諸問題も、プロとの共同作業を通して学んでいます。また、結婚や子育てをしながら社会で活躍する先輩女性の姿を間近で見ることで、自身のキャリアや生き方についても大きな刺激を受けています。
プロの放送作家と共に脚本・構成を検討プロの放送作家と共に脚本・構成を検討
海外での撮影を控えて、機材操作に関するレクチャーを受ける海外での撮影を控えて、機材操作に
関するレクチャーを受ける
台湾フィールドワークの様子を撮影する映像制作チームのメンバー台湾フィールドワークの様子を撮影する
映像制作チームのメンバー
機材の整理と運搬方法について確認機材の整理と運搬方法について確認

講師へのインタビュー

※質問内容をクリックしていただくことで、回答の表示・非表示を切り替えることができます。

放送作家:板橋めぐみさんへのインタビュー

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Q.この映像制作プロジェクトを受講することで、学生にどのようになってほしいと思っていますか?
A.そもそも映像は伝えたいことがあるからこそ作るものです。そして「なぜこのテーマを選んだのか」「なぜこれを伝えたいのか」「これをどう伝えるのか」をとことん考え、それを形にすることで初めて映像は完成します。学生には、ぜひ講座を通じて「自分の意見を持ち、それを伝える力」を培ってほしいですね。

 同時に、映像制作では取材力やリサーチ力も必要。加えてこの講座ではグループで制作しますので、仲間とのコミュニケーション能力、調整力、統率力なども身に付くはずです。

Q.この映像制作プロジェクトの講師として、工夫していること、気をつけていることなどを教えてください。
A.映像の完成までには様々な行程があるのですが、撮影や編集といった技術的なことは、さすがデジタルネイティブ、すぐにマスターしてくれます。一方で、学生たちにとって最大の難関は「台本作成」。どういう展開にすれば自分たちの伝えたいことが見ている人に届くのか。台本の正解はひとつではありません。作り手の腕の見せ所でもあり、同時にもっとも難しい部分です。

 各グループで取り上げるテーマについての台本は、プロである私たちも一例として作成します。ただし、そのお手本を学生たちにはすぐには見せません。アドバイスはしますが、まずは試行錯誤しながら自分たちでとことん考え抜いてもらうことを大切にしています。学生たちも、たとえお手本の存在を知っていたとしても、「見ません。自分たちで考えます」と言ってくれるので頼もしい限りです。

Q.受講学生へのメッセージをお願いします。
A.自分で「やりたい!」と思ったことがあって、それが一人ではできない、もしくは誰かと一緒にやったほうがずっと面白い、という場合には周りの人に声をかけて協力してもらう必要があります。そのためには「自分はなぜこれをやりたいのか」「やるとこんなに素晴らしいことがある」という熱意を相手に伝えなくてはなりません。「伝える力」があればあるほど、夢はどんどん叶うし、可能性も広がって行くと思います。

 そんな「伝える力」を養うのにうってつけなのが「映像制作」です。しかも映像制作はとっても楽しい! 加えて自分の意見・考えがつまった作品をたくさんの人に見てもらえるというのは、何ものにも代え難い喜びがあります。

 学生には、まずはこの講座で映像制作にチャレンジしてほしいですね。きっと夢や可能性がぐんと広がるはずですよ!

映像ディレクター:佐藤安南さんへのインタビュー

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Q.この映像制作プロジェクトを受講することで、学生にどのようになってほしいと思っていますか?
A.SNSの普及とIT技術の飛躍的な進歩により、動画はとても身近なものとなりました。しかし残念ながら、世の中に出回っている動画の多くは、内輪向けの、自己満足的な作品のように思われます。誰もが気軽に取り組めるものだからこそ、「伝える技術の差」がモノを言います。

 このプロジェクトでは、プロが行っている映像制作の過程を、最初(企画)から最後(公表する)まで、しっかり体験してもらいます。そして、見る側の立場に立った映像作りの方法、すなわち「相手にきちんと伝わる骨太な表現力」を身につけてほしいと思っています。撮影のしかたや編集テクニックもさることながら、一番大切なのは「何を伝えたいのか」「どうすれば伝わるか」という構成力です。「伝える」ということの本質を、この機会にじっくり考えてほしいと思います。

Q.この映像制作プロジェクトの講師として、工夫していること、気をつけていることなどを教えてください。
A.「講師」というよりも、働く女性の「先輩」として接したいと常に考えています。実際のところ、映像作りに「正解」はありません。私自身も、番組制作の現場では、常に迷い、悩み、落ち込むことがしばしばです。その体験談なども含めて、どんなことでも、尋ねられればオープンに話すようにしたいと思っています。

 また、映像制作だけでなく、情報全般をどう扱うかということも実践的に学んでほしいと思います。そのために、FacebookやEvernote、サイボウズなどのグループウェアなども取り入れ、映像制作以外の場でも役に立つコミュニケーション方法を身につけてもらえるよう、心がけています。

Q.受講学生へのメッセージをお願いします。
A.最近の学生は、私が学生だったころに比べて、アルバイトや就職活動など、とても忙しい日々を送っているように思えます。そのせいなのか、「効率よく」「早く正解を求める」傾向も強まっているように見えます。確かに効率よく作業することは大事です。しかし、若いうちから効率のよさや正解だけにとらわれてしまうと、見失ってしまうものがあると私は思います。

 学生時代は、自分たちがしたいことを、様々な利害関係にとらわれず、純粋に追求できるかけがえのない時期です。自分が表現したいこと、伝えたいことをとことん考え抜いてみる、仲間と時間を忘れて議論をする、そしてその成果を「映像作品」として作り上げる、そういう「本気の」時間を、いま、この時期に、この映像制作プロジェクトで味わってほしいと思います。そうした経験は、将来必ず皆さんの役に立つはずだと信じています。