教職員の方へ

本学が取り組んでいるハラスメント防止活動についてのご案内です。

ハラスメント防止活動へ ご協力のお願い

ハラスメントとは、他の人を不快にさせ、精神的に傷つけるような言動を行うことです。性的性質の言動によって人を傷つけるセクシャル・ハラスメント。職種や成績評価の権限を利用するパワー・ハラスメントやアカデミック・ハラスメント、その他のハラスメントなどに分類されます。大学でのハラスメントで最も多いのは、加害者が教職員、被害者が学生というケースです。大学での活動(授業・課外活動・課外実習など)中の、精神的に傷つけるような言動は、ハラスメントとみなされます。これは同性間でも起こりえます。

学生の誤解によって引き起こされた問題である場合でも、責任をもった誠意ある対応ができない場合には、大学と大学教職員は厳しく責任を問われることになります。

以上のような問題を発生させないためにも、次の点にはくれぐれもご注意くださるようお願いします。

ハラスメント防止のための注意点

●密室的な状況のもとでの対談や指導、また、特殊な時間帯の呼び出しなどは理由を問わず避ける
研究室で一人の学生と接する場合には、研究室内が見えるようにドアを開けておく、もしくは、テーブル・机などをへだてて学生に対するなど、基本的なマナーを守ってください。
緊急不可欠の場合でない限り、早朝や夜分に学生を呼び出すことは避けてください。

●学外での、学生個人とのプライベートな行動はとらない
指導の名目のもとに個人面接をすること。休暇期間などに一緒に旅行をすることといった行動は避けてください。

●容姿に関するコメントをはじめ、必要以上に女性であることを意識させるような言動をとらない
特に、手や肩に触れることなどは誤解されやすいので注意しましょう。

●「そのつもり」がなくても、学生を不愉快な気持ちにさせる「落とし穴」に注意しましょう
・授業中、頻繁に同じ学生を指名するような場合、熱心な学生に期待するような行為であったとしても、指名される学生にとっては苦痛に感じることがあります。
・授業前後の問時間などに、知人とのお見合いを勧めたというような場合、悪気のない行為のつもりでも、時と場所を考えずに個人的な話をもちかけることは、必要以上に女性であることを意識させることにつながります。
・教材として性に関わるテーマをとりあげる場合、授業の方法によっては、受講する学生が苦痛を感じる場合があります。
・授業等での学生への指導に際して、容姿や外見を話題にしたり、女性を差別するような言葉を使った場合、不愉快に思うなど、学生は精神的苦痛を感じる場合があります。
・プライバシーに立ち入ったことをたずねる場合には、聞かれた学生が苦痛を感じることがありますので、ご注意ください。

●メールによる指導や相談の際には、表現に注意しましょう
メールは大変便利な伝達手段ですが、表現によっては必要以上に親しみを感じさせたり、逆に思いもよらぬ不快感を与えることがあります。また第三者に読まれる危険性がないわけではありません。メールアドレスを公開し、指導や相談をする場合には、くれぐれも表現等に注意してください。

●ハラスメントになるかどうか悩んだときは
自分の家族の前でも、同じようにふるまえるか。その言動が、マスコミで報じられても気にならないか。自分の家族が、同じような言動を受けても気にならないか。こうしたことを考え判断するよう心がけてください。

ハラスメントの申し立てを受けたら

冷静に受け止めて、申し立てた個人を特定するようなことはしない
学生からあなたに対して申し立てがあったと伝えられても、どうか冷静に受け止めてください。あなたの言動にまったく悪意がなくても、そのように受け取られる場合もあるのだということを理解して、その後の授業等に活かしていただければと思います。授業中に申し立て人を探し出すようなことは絶対に避けてください。それは新たなハラスメントを生むことになります。誤解を解くための努力をする場合は、十分に気をつけて、申し立てをした個人を特定するような方法は避けてください。

●関係者全てに守秘義務があります
ハラスメントに関して相談を受けたり、それを見聞きした場合、またハラスメントで訴えられた場合にも、そのことを不用意に口にしたり、不特定多数に向かって話題にしたりすることは避けてください。相談に関して、また訴えに関してあなたが知りえたことは守秘義務の対象になることを自覚してください。互いのプライバシーを守ることがなによりも大切であることを忘れないでください。

学生から相談を受けたら

学生には、ハラスメント防止委員会の存在と相談先を知らせてありますが、相談窓口以外の教職員のところに相談にくる可能性もあります。そのような場合には、次のようなことに留意してください。

●相談を受けるときの心構え
・相談してくれたことを歓迎する。
・安心して相談できる環境を作る。
・申し立て人の話に耳を傾ける。
・申し立て人の意思を尊重する。
・申し立て人の同意を得て記録をとる。
・単に話を聞くだけではなく、「なんらかの解決」を目指して対応するよう心がける。

●相談を受けた後の心構え
相談窓口(委員)に連絡することを勧めてください。
ハラスメント防止リーフレット「ハラスメント防止に向けて-相談の手引き-」を読んで、相談窓口(委員)に連絡することを勧めてください。そして、「あなたの名前は相談員以外に知られることはありません」「あなたやあなたに協力した人が不利益を被ることはありません」「大学はできる限りあなたを救済します」「相談窓口へ行く時は自分も付き添います」という、メッセージを伝えてください。

“どうしても、相談員(防止委員会委員)には連絡したくない”といった場合
1. ウエルネスセンター・相談室のカウンセラーを紹介してください。「秘密は守られること」「本人が望む解決方法を一緒に考えてくれること」などを伝えてください。
2. 防止委員会および委員の役割について、わかりやすく説明してください。「学生がイヤな思いをしていることを解決するための相談窓口である」こと、「本人だけでなく、大学も学生が望まないことをなくしたい」と思っていること、また、「学生にはイヤだという権利があるので、問題は解決したほうがよい」ことを伝えてください。そして、問題を解決するために、防止委員に連絡するように働きかけてください。

●対応手順
本人が「解決」を望んでいるか、また、「どのような解決」を希望しているのかを確認し、 「解決」を望む場合、原則として、第三者が同席の上での当事者間の話し合いを勧めましょう。

こうした対応が困難な場合及び結果的に解決しなかった場合は、問題によって下表を参考に担当者が協議して対応します。ただし、いずれの対応においても、必ず事前に本人の同意を得てください。
対応手順表
対応手順表
*この表は大筋であり、事案によって枠組みを変更することができます。表に記載した担当者の他、必要に応じて他の教職員に協力を要請することができます。
*防止委員会委員長は必要に応じて全ての過程に関わることができる。また、学務部長、学生部長、ウエルネスセンター長、防止委員会委員長が協議して対応することがあります。

ハラスメント防止委員会は、個々の教職員の人権を守るための窓口でもあります。ご協力をお願いします。

2013.9 清泉女子大学ハラスメント防止委員会